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『渚のシンドバッド』

ガクヅケ木田おすすめの映画「渚のシンドバッド」のDVDを見た。

「ゲイの恋愛あるあるが100個ぐらい詰め込まれた映画なんですよ」という、あるある探検隊の極致みたいな勧め方をされたのだが、とてもよかった。

好きな子がふいに渡してくれた飲みかけの飲料水をバレないように口につけてみたり、好きな子の家に行ったら作ってくれたカルピスの牛乳割りを愛おしげに飲んでいたら無神経な友達に横取りされて落ち込んだり、
これが広瀬すずと福士蒼太のやり取りなら、そのままカルピスのCMにだってなったっておかしくないだろうけれど、げじげじ眉毛の猿顔でチビの同性愛者の男子高校生のどうやったって受け入れてもらえない恋愛だと分かってみると、なんとも切ない気持ちにさせてくれる。
「ゲイの高校生の恋愛映画」とだけ聞いていて、冒頭何人も男子高校生が出てくるのだけれど、一発で岡田義徳演じる伊藤がゲイの高校生役なんだなと気づかせる説得力があった。伊藤という名字のやつは確かにゲイっぽいな…とさえ思わせるぐらい雰囲気が出てた。

そんな彼が好きになったのはクラスメートのシュッとした優男で、こいつは本当に優しい男なのだけれど、それは自分が同性愛者を差別もしない友達思いの良いやつでいたいからそう振る舞う面も多分にあって、その優しさは本当の意味で伊藤のためになっているとは言えない。
みんなが体育で外に出て行った教室で、伊藤からどれだけ本気で自分を好きかと告げられ、ハグとキスをせがまれて、この優男は最初はそれを拒否しないのだけれど、結局は最後まで受け入れることもできない。
もし告白してきた相手が女子で、同じようにその気持ちに応えられないのならそんなこともしないもんな。
それはあくまで「ゲイの大事な友人を傷つけたくない自分でいたい」と思うがゆえの行動で、結局はしっかりと伊藤の好意を断るよりもむごい行動になるわけで。
この教室でのキスシーンが、いつクラスメートが帰ってくるんじゃないかと思って下手なホラー映画よりもずっとドキドキしました。

その優男が好きになるのはまだ歌手デビューする前であろう浜崎あゆみ演じる女子高生で、優男があゆに不意に漏らした「俺は伊藤みたいに変態じゃないから」のセリフの残酷さがとんでもない。分かっていたけどね。優男が伊藤を本当はどう思っているかなんて。
特段誰目線で映画を見ていたわけでもないのだけれど、(強いて言うなら気になる子が伊藤としゃべっていただけで逆恨みして伊藤のチャリを川に沈める奸原という良脇役キャラ)この時ばかりは伊藤の心中を思って泣きそうになった。

あゆはあゆで普通に人を好きにはなれない過去があって、絶対に自分を女として好きにならないであろう伊藤と逆に心を通わせていく。このころの浜崎あゆみ、半端じゃあないです。最近はもうライブでトラブりおばさんとしてのイメージしかなかったのだけれど、17歳のあゆは綾波レイの実写版ができそうなぐらいの美しさを放っています。

この三者三様のどうしようもない若者が最後の最後、いくところまでいってみんなで浜辺で泣きじゃくるのだけれど、
あゆが泣きながら伊藤に砂をぶっかけて、優男にも砂をぶっかけて、最終的に自分にも砂をぶっかけるシーンは、なんていうかお笑い的な収まりの良さもあって最高だった。



いや映画レビューなんてしている場合じゃないんだよ。M-1があった12月3日以来4日ほどライブがなくて、その間話をしたのがバイト先の人だけでなんかギアが変なずれ方をしている。


マジでめちゃくちゃアホな、完全に無視していい話なのだが、
賞レースで勝ちやすそうなパッケージのプロトタイプぐらいにはなりそうな型を見い出せそうなネタがこの前できて、でもこのパッケージをブラッシュアップするのは、自分にとってすでにある鋳型に鉄を注ぎ込むような行為で、ネタ作りにおける最も意義のある「0から1を作り出す喜び」を全く感じられないので「これを突き進めることに意味はあるの?」みたいな気持ちになっています。そもそもそんなパッケージ足りえていない可能性の方がよっぽど高いので本当にスルーしてもらっていいのですが、万が一2018年にこのパッケージで名を挙げる機会が増えたとしたら、もうこの時点でそれにあまり意義を見出せない匂いを感じていたことを察してください。という話を今日の深夜、まんじゅう田中大帝国とした。

いやセンスのあるやつとだけ絡んで己が株をあげようとすな

by romehoso | 2017-12-08 02:45